近年、嫁が夫に行うモラハラが増加していることをご存じでしょうか?
警視庁の調べでは、男性からのDV事案の相談件数が平成28年(953件)から令和2年(1800件)で約3倍になっているそうです。このことからみても、奥さんが旦那さんにモラハラを行うケースが増えていることが伺えます。
そこで今回は、妻が夫に行うモラハラ、いわゆる「嫁のモラハラ」についてお話します。
モラハラ嫁と聞くと、かかあ天下や鬼嫁といったものをイメージされるかもしれませんが、実際はあらゆるタイプのモラハラ嫁が存在します。具体的に見ていきましょう。
1.暴力をふるう
暴言を吐く、実際に暴力をふるう…定番のモラハラです。冒頭でもお伝えした通り、数年前に比べると男性のDV相談件数が3倍に増加しています。家庭内で暴力をふるう女性が増えてきていることは間違いないようです。
2.無視をする
実際に言葉や身体を使った暴力行為を行わないけれど、話しかけても無視をする、そこに居ないかのように扱う。こういったことが常習化してしまうと、その行為はモラハラとみなされてしまう可能性があります。
3.経済的な制限をかける
財布の紐は嫁が握っているとはよく聞く話ですが、それも行き過ぎてしまうとモラハラになりかねません。夫に一切お金を与えずに自由を制限してしまうことは、倫理にも反しています。
4.異常な束縛
行先を必ず告げてからでないと外出できない、外出すると常にLINEや電話が来る、返事が少しでも送れると怒り出す…異常な束縛により精神的な自由を制限してしまうことも、モラハラ嫁が行いがちなモラハラ行為です。
5.周囲と断絶させる
友達付き合いをさせてもらえない、子どもに自分の悪口を言ってわざと嫌わせる、知人に自分の悪評を流すなど、意図的に周囲との関係を悪くして孤立させるというモラハラもあります。こういった類の行為もモラハラ嫁にもよく見られるものです。
モラハラ嫁にモラハラをやめさせるためには、なぜ嫁がモラハラ行為をしてしまうようになったのかを考えることからはじめてみましょう。理由も無くモラハラ行為をすることは考えにくく、きっと何かしらの原因があります。
1.夫に不満を感じている
もしかすると、モラハラ嫁はあなたに何かしらの不満を感じているのかもしれません。よく見られるのが「産後クライシス」。妊娠時や子育て時に自分の思うような援助が受けられなかったことで、夫に対して愛情が冷めたり恨みを持ってしまったりといったことが考えられます。
また、日々の家庭に対する取り組みや夫婦関係、相手の性格に対して何かしら不満を持っているということも考えられます。
2.心に問題を抱えている
嫁自身が自分の心に葛藤や問題を抱えており、そのことに対して八つ当たりをしているという可能性もあります。また、嫁に何かしらのトラウマ経験があり(自身がモラハラを受けていた、虐待を受けていたなど)それが原因で精神状態が不安定になり、周りに攻撃性が向いてしまっていることも考えられます。
モラハラ嫁に限界を感じてしまう前に、自分たちにできることは何かないのでしょうか?
1.冷静かつ建設的な話し合い
月並みな策かもしれませんが、話し合いを抜いての解決は困難です。モラハラをするということは、紐解いていけば必ず何かしらの原因があるものです。まずはお互いの気持ちを確認するために話し合いの場を設けましょう。
ただし、話し合いは不満のぶつけ合いではなく、夫婦関係を再建するために行われるべきです。
・夫婦関係が良くなる目的で話し合いをする
・感情的にならずに冷静に話し合うこと
・一方が話している時には、相手は必ず話を最後まで聞くこと
といったことを予めお互いに確認してから話し合いをはじめられるといいでしょう。
2.第三者に協力を求める
とはいえ、なかなか2人だけだと冷静に話し合いができない場合や、途中で話が脱線し気着点を見失ってしまうこともあるでしょう。そんな時には、第三者に話の中に入ってもらい、舵役を担ってもらうのも有効です。
3.必要であればカウンセリングを受ける
とても冷静に話なんでできない、第三者が入ってもどうにもならない、そもそも話し合いを持つモチベーションすら湧かないし精神状態が限界…そんな方もいらっしゃることと思います。そんな時には、心理カウンセラーの方に話を聞いてもらうというのもいいでしょう。
心理カウンセラーの中にはモラハラを専門にされている方もいらっしゃいます。自分の心の整理のお手伝いや、今後どうするべきなのか助言もしてくれるでしょう。
モラハラ行為をやめてくれと伝えることも必要なのですが、モラハラをする側はやめてくれと言われてやめることはまずありません。まずはその理由を話し合いで理解し、解決のためには何をすべきなのか考えることが必要かと思います。
二人では冷静な話し合いが難しいという場合には、第三者やカウンセラー、モラハラ専門窓口に頼ることも選択肢に入れてみてください。