家庭で発生するモラルハラスメントにはいくつかの怖い理由があります。その中でとても大きいのが他人が知られることがない密室で起こるからです。
職場などでは公の場所でもあり、他の人に知ってもらうことも可能ですが、家庭だと外に情報が漏れることはありません。
それにモラルハラスメントの加害者は外面が良く、外に向けては嘘を付いて自分を上げており、豹変するような形でさまざまなモラルハラスメントを受けますので、誰かに相談するのも躊躇われるのです。
密室だからこそ本当のことが伝わりにくく、逆に被害者の方が悪いと勘違いされることも多々あるでしょう。
また、モラルハラスメントの被害者の方はどういったことを言えば怒られるのかも理解している部分がありますから、常に気を遣ったり、下手なことを言えなかったりと狭苦しい思いを毎日しなければなりません。
家庭内で起こるモラルハラスメントだからこそ気が緩む時がなく、誰かに助けを呼ぶのが難しい部分があるのです。
家庭で起こるモラルハラスメントは暴力や単純な嫌がらせではなく、相手に見せる態度で表れる場合が多いです。
口を利かなったり、無視をしたり、その場にいるのに居ないように扱われたり、細かいことを指示したり、文句を言ったりとまるで赤の他人のような態度で接するのです。
嫌なことがあれば、わざとに大きな音を立てたり、ため息をついたりと感情を態度で表して、モラルハラスメントの被害者の方もそれを敏感に察知します。
相手に分かるように態度を出しているので、察知するのは当然のことであり、このままではいけないと機嫌を直してもらおうと話し合いを申込んでもそれも無視されるケースもあります。
そうしているうちに無視されるのは自分が悪いと思いこむようになり、次第に相手のペースとなって相手にとって思い通りの人間になるのです。
これが家庭でのモラルハラスメントの怖いところであり、同じ家庭で暮らすが故に相手の言いなりになりやすく、そうしないと不安になってしまうのです。