家庭内でおこるモラハラには、夫婦間でおこるもののほかに、親と子ども間でおこるものもあります。
子どもへのモラハラは、今後の子どもの成長に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、本記事では、親が子どもにモラハラをした場合に、子どもにあたえる影響や、親が子どもにするモラハラ、モラハラをする親の特徴についてお話します。
モラハラ親が子どもにあたえてしまう影響は多岐にわたりますが、特に次のようなことが今後大きな問題となると考えられます。
1.良好な人間関係を築けない
親にモラハラを受けた子は、人を信用できなくなってしまい、友達と上手くコミュニケーションをとれない、円滑な人間関係が築けない子になることも珍しくありません。
また、親に攻撃されたことを恨みに感じ、相手にも同じように攻撃をあたえてしまう可能性があります。
モラハラをされてしまった子は、対等な人間関係が築けなくなってしまうのです。
2.主体性が無くなる
親に抑圧されて育った子は、親の言いなりに生きるあまり、自分の主体性を持たない子に育ってしまう可能性があります。
親の意見がないと何も決定できない、自分の意志を持てず、自己決定ができなくなってしまうことも、親のモラハラが子どもにあたえてしまう影響でしょう。
3.子どもがモラハラをする可能性も
虐待を受けた子どもは、自分が親になった際に自分の子どもにも虐待をしてしまうといいますが、モラハラでも同じことがいえます。
モラハラを受けて育った子どもは、いつしか自分がされたように、自分の子どもにモラハラをしてしまう可能性があります。
では、具体的にどのような行為を親が子どもにするモラハラなのでしょうか。代表的なものをいくつか挙げます。
1.感情をぶつける
親が子を叱るのは親の責務ではありますが、「??る」と「怒りをぶつける」のは似ているようで全く異なるものです。
??るのは、子どもの成長を促すため、しつけのためでありますが、怒りをぶつけるのは、ただただ親の負の感情を子どもに投げつけるだけでしつけの意味をなしません。
また、行き過ぎた感情の吐き出し方はモラハラとなってしまうこともあります。
2.人格の否定
子どもは多感であるため、何気ない言葉がトラウマのように心の傷となって残ることがあります。
人格を否定するような、子どもの心を著しく傷つけてしまう言葉は、しつけではなくモラハラです。
たとえば、次のような言葉は子どもに投げるべきではありません。また、暴言と呼ばれる言葉もあまり投げかけるべきではありません。
・お前は何もできない人間
・生きていて意味がない
・お前なんて生まれてこなければよかった
・〇ね
モラハラをしてしまう親には共通の特徴があります。
1.大きなストレスを抱えている
自分が大きなストレスを抱え、精神的に辛い状態にある時、親はもっとも当たりやすい子どもに感情をぶつけやすくなります。
自分の精神状態によって子どもに強く当たっていることを自覚しているのであれば、まずは自分の心の健康を取り戻すようにすべきでしょう。
2.モラハラを受けて育った
モラハラを受けて育った親は、自分の子どもにモラハラをしやすい傾向にあります。
現在モラハラをしてしまっているという親は、自分も幼少の頃に親からモラハラを受けて育ってきたという方が多いのではないでしょうか。
3.子どもに過度に期待している
子どもの将来に過度に期待している、自分ができなかったことを子どもを使って実現させたいという親は、子どもを自分の思い通りに動かそうとするあまり、子どもの意志を無視し、強いコントロール力で子どもを縛ろうとします。
指導が行きすぎるあまり、モラハラ行為となってしまうのです。
親のモラハラは子どもの成長に大きな悪影響をあたえる可能性があります。
子どもはモラハラを受けて育つと、主体性がなくなり、人とコミュニケーションをとるのが苦手になってしまいます。
そればかりではなく、子どもが成長して自身の子どもを持つ際には、その子どもにもモラハラ行為を行う可能性があるのです。
親は知らず知らずのうちに、子どもにモラハラ行為を行ってしまっている可能性があるため、自覚がある方は自身の行動と心を振りかえり、子どもとの向き合い方を改めるようおすすめします。